大会長からの挨拶

 この度、第55回日本放射線腫瘍学会生物部会学術大会と第46回放射線による制癌シンポジウムを、私どもの教室でお世話させていただくこととなりました。生物部会は医学系の放射線生物学研究者にとって、日頃の研究成果を発表する最高の機会であります。また制癌シンポジウムは基礎系と臨床系の研究者が一同に会して議論を交わすべく、「基礎と臨床の対話」という副タイトルでもって、長年にわたって開催されてきました。近年、放射線生物研究が減少傾向にありますが、生物学に興味を持つ臨床医はむしろ増えてきているように思われます。基礎側からも臨床側からも大勢の方に出席していただき、また多くの演題を出していただいて、有意義な会になりますようご協力をお願いいたします。

生物部会では、「制癌」に拘らずに幅広く放射線生物学の演題を募集いたしますが、制癌シンポジウムには、私自身の興味より5つのテーマを選びました。すなわち、低酸素・放射線増感、粒子線治療、寡分割定位照射、放射線ホルミシス、放射線と免疫がテーマとなります。基礎と臨床系から高名あるいは新進気鋭の先生に講演を依頼しております。生物部会においてもこのようなテーマを含めて議論できたらと期待しております。なお今回からは、生物部会を初日に行い、制癌シンポジウムは二日目の土曜日に行うこととなりました。

会議は丸二日間に渡りますため、心地よく過ごしていただけるような会場を選びました。名古屋駅からは地下鉄で2駅離れておりますが、まだ新築されて間もない名古屋商科大学ビジネススクールの講堂をお借りしています。非常に手のかかった建物と思われ、豪華な講堂には最新鋭のプロジェクションシステムが完備されております。生物部会・制癌シンポジウムがこれほどの素晴らしい会場で開催されたことは今だかつてないのでは、と自負しております。この素晴らしい会場で、2日間ゆったりと生物・制癌研究の講演・発表とディスカッションを楽しんでいただけたら幸いです。

名古屋はここ何年かの間に、さらに近代的な都市に発展しました。名古屋駅前には、名古屋一高い豊田・毎日ビルの他にも新しいビルが建設されております。ミッドランドスクエアと呼ばれるエリアではショッピング、娯楽、グルメのスポットを提供しています。さらに近くには、ルーセントタワー、スパイラルタワー等のおしゃれなビルが立ち並んでおります。また昔からの繁華街である栄・錦地区は現在も健在です。研究会でしっかりと情報収集・交換をしていただくとともに、発展する名古屋の街と独特の食文化を存分に楽しんでいただけたら幸いです。できるだけ多くの皆様のご参加をお待ちしております。

 

当番世話人 芝本雄太
     (名古屋市立大学大学院 医学研究科 放射線医学分野)